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甲状腺の病気について

甲状腺説明図


 甲状腺は甲状腺ホルモンを分泌する内分泌腺です。甲状腺は頚部中央で気管前面に接し、気管前半部を包むように位置しています。甲状腺は左右の側葉(左葉・右葉)と中央の峡部より成り、約60%のヒトで峡部から上方に伸びる錐体葉が存在し、蝶が羽を広げたような形をしています。
 側葉の縦の長さは 4~5cm、幅 1~3cm、厚さ 2~3cm甲状腺全体の重さは成人で15〜20gです。正常の甲状腺は軟らかく、前面は前頚筋群で覆われているため、通常は外からは触れません。甲状腺が大きく腫大したり、硬くなったり(全体にもしくは部分的に)するとその存在を触れるようになります。 治療を必要としない場合もありますが(単純性甲状腺腫など)、前頚部に腫れやしこりを感じたら、医療施設で検査を受けるようにしてください。

 甲状腺ホルモンは体の新陳代謝を盛んにする作用を持ち、生きていくために無くてはならないホルモンです。 正常時、甲状腺ホルモンの分泌は脳(脳下垂体)により厳密に調節されています。


[ どんな病気があるか ]

甲状腺に“しこり”ができる病気
  1. (濾胞)腺腫
     甲状腺に発生する良性腫瘍です。甲状腺内で増大するだけで生命にはかかわりませんが、濾胞癌との鑑別が困難なため、手術による切除が勧められます。

  2. 甲状腺癌
     甲状腺癌の多くは、適切な治療を受ければ他の臓器の癌と比べて生命予後は良いのですが、高齢発症(女性では50歳以上・男性では40歳以上)の方が予後が悪い点は、一般の癌と逆の性格があります。
    1. 乳頭癌
       甲状腺癌の中で最も多い癌です。癌の存在する位置や大きさにより、甲状腺部分切除・片葉切除・亜全摘・全摘と、リンパ節郭清(片側もしくは両側)を組み合わせて手術を行います。
    2. 濾胞癌
       乳頭癌に比べて、肺や骨への転移が多いとされています。手術は、乳頭癌と同様に行いますが、手術時に明らかな転移が存在する場合は、癌の位置や大きさにかかわらず、甲状腺全摘術と放射性ヨードによる内照射治療を行います。
    3. 未分化癌
       発生頻度は低いのですが、人に発生する癌の中では最も悪性度の高い(生命予後の悪い)癌とされています。局所での急速な増大(気管や食道の閉塞)・疼痛や発熱などの炎症反応・早期の他臓器転移が特徴です。診断がつき次第、手術・放射線治療・抗癌剤投与を行いますが、救命できることは少ないです。

  3. 腺腫様甲状腺腫
     甲状腺全体におこる過形成(1個の細胞から発生する腫瘍とは異なる病気)です。しこりは、甲状腺内に1個から数個または多数発生しますが良性疾患で生命にかかわることはありません。美容上の理由や、稀に気管や食道の圧迫症状により手術を行います。

  4. 亜急性甲状腺炎
     ウイルスによる炎症性疾患とされています。甲状腺に激痛を伴う硬いしこりが発生し、しばしばそのしこりが甲状腺内を移動する特徴があります。ステロイド剤が特効的に効きますが、時として完治に数ヶ月を要することもあります。

  5. 急性甲状腺炎
     甲状腺内に細菌感染により膿瘍を形成します。応急的に抗生物質投与や穿刺排膿を行いますが原因として、先天的に喉と甲状腺の間に通路が存在するため根治的には手術治療が行われます。

  6. のう胞
     甲状腺に水たまりができる疾患です。生命にはかかわりませんが、美容上の理由で穿刺排液や排液後にアルコール注入を行います。

 

甲状腺が全体に腫れる病気
  1. バセドウ病
     自己免疫疾患とされています。甲状腺細胞を刺激する抗体が体内で産生され甲状腺細胞の数を増加させホルモン産生能も高めます。結果として甲状腺全体が腫大し、血中甲状腺ホルモン濃度が高まり、通常以上に新陳代謝が高まります。
    動悸・発汗・手の振るえ(手指振戦)・体重減少・疲れなどの症状が現れます。時として眼球の裏側の軟部組織が肥大し目が前方に出る(眼球突出)こともあります。抗甲状腺剤の内服治療・手術療法(甲状腺亜全摘術)・放射性ヨードによる内照射療法を、それぞれの患者さんの病態により選択します。

  2. 橋本病
     バセドウ病と同じく自己免疫疾患ですが、甲状腺細胞を攻撃する抗体が産生されるため、血中甲状腺ホルモン濃度が低下しそれを補おうとして甲状腺が腫大します。
    新陳代謝が低下するため、活動性がなくなり、疲労感ややる気のなさ(時としてうつ病と誤診される)また、むくみなどの症状が現れます。甲状腺ホルモン剤の内服治療を行います。

  3. 単純性甲状腺腫
     甲状腺全体が通常よりも大きいですが、しこりもなく甲状腺ホルモンの異常もありません。特別な治療はありません。

[ 自分で発見する方法 ]

  1. 頚部の症状
    無痛性のしこり、有痛性のしこり、
    頚全体の腫れ(頚が太くなった)、
    食物を飲み込みにくい
    息苦しい
    声がかれる(嗄声)

  2. 目の症状
    目が飛び出たようになる(眼球突出)
    物が二重に見える
    目が乾く(結膜炎)

  3. 全身症状
    動悸を感じる(脈が速い)
    疲れ易い
    筋力の低下
    短期間に体重が増えるもしくは減る
    汗をかき易い
    手が震える(手指振戦)
    むくむ(特に下肢)
    月経異常
    便通異常(下痢・便秘)
    体毛の異常
  甲状腺に病気がおきると、上記の症状が様々に組み合わさって現れます。
  「甲状腺の病気かな?」と思ったら、早速専門医を受診してください。


[ 甲状腺の検査 ]

  1. 視診・触診
  2. ]線検査
  3. 超音波検査
  4. CT
  5. 穿刺吸引細胞診(良性・悪性の診断)
  6. 甲状腺機能検査(採血検査)
  上記検査の組み合わせは、患者さんの病態や施設によって多少異なりますが、牛尾病院では、
  必要な検査は多くの場合1日で行っています。
  (採血や細胞診の結果には1週間から10日を要します。)

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